超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
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2023.1.28

■「吉野林業と優良材」に学ぶ (67) 
植付密度

―江戸時代における育林技術-

 

吉野地方における密植の歴史は古いが、「広益国産考」には「吉野郡にては繁くうえ」「間をおく事凡一尺二、三寸ほどづつに(約36~40㎝の間隔に)植べし」とある。

また、安政年代に「吉野辺は二尺(約60㎝)方、二尺五寸(約76㎝)位に植付申候」とある他、嘉永年代には「大和国吉野郡は (中略) 杉苗を山へ植付るに左右前後とも三尺(約91㎝)づつ間を置植付置」とある。

吉野地方でも地味の良し悪し、搬出の便否により違いがあるが、多くの場合、一坪あたり6本とかなりの密植がとられていたようである。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎

 

参照:「吉野林業と優良材 (岩水豊 著)」

 

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1坪あたり6本の植付では、1町歩(約3,000坪)に対して18,000本の植付ということになって、「吉野林業全書」が示す「1町歩(約3,000坪)に対して苗木10,000本の植付が通例」ということからすれば、かなりの密植です。

「吉野林業全書」ではさらに「1町歩に20,000本~30,000本を植え付ける密植をするところがあるが、植付け後12、3年目から30年目までは間伐材による収益を多く得たとしても、枯損木も多く幼齢の時から勢力は衰えて生育は遅れるので、100年後の計算をしてみると、結局、材積も少なく利益も少ないことになる。」とあるので、10,000程度が適していると収束していったようですね。

■「吉野林業全書」に学ぶ (33) 山地への杉・桧植付けとその季節 ③


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