2023.9.27
■「吉野林業と優良材」に学ぶ (81)
種子及び苗木②
―明治時代における育林技術-
播種は3月下旬から4月上旬に行うのであるが、苗木の生育を均一にするため、使用する種子はあらかじめ水選し、大粒のものと小粒のものとを取り去り粒を揃えて播くように指示している。
播種床はよく耕して、雑草、粗石を取り除き、幅二尺ないし三尺(約60~90㎝)、長さは適当に高さ二寸位(約6㎝)のものとする。
床は平鍬の背、あるいは足でよく踏み固めて均一にして下肥を施し、一坪当たり二合(約360ml)の割合で播種したところに、肥土を厚さ二、三分(約6~9㎜)篩い(ふるい)かける。
参照:「吉野林業と優良材 (岩水豊 著)」
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「吉野林業全書」にはこういった手順の他に、収支計算までが詳細に記載されています。最終製品の品質向上が収支に直結することになるので、種子の選別といったことから全てのアクションが重要になります。
吉野林業全書に学ぶ(19)/杉・桧種子の播き付けの季節
吉野林業全書に学ぶ(20)/杉・桧種子播き付けと苗木の仕立て
吉野林業全書に学ぶ(21)/杉・桧種子播き付けの方法