超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2022.6.6
■「吉野林業と優良材」に学ぶ (44)
吉野材の材質と諸性質⑤
優良材の要件とされている節の出現状態について調査した結果では、表22のとおり3m材では無節材56%、節1個出現17%、2~3個出現9%、4~5個出現5%、6~9個出現13%、10個以上出現はごくわずかである。
特に樹齢が若い関係で年輪数が少ないほど無節材の割合は少ない傾向にある。
次に4m材の一番玉の節数では表23のとおり無節材81%、節1個出現7%、2~3個出現5%、4~5個出現3%、6~9個出現3%、10個以上出現は1%となっており、先に見た3m材より無節材の割合が多いことがわかる。
これを年輪数別にみた場合は、年輪数20~29では無節材は27%、30以上では67%、50以上では82%を示しており、やはり樹齢の高いものほど節の出現割合が小さくなっていることがわかる。
撮影:辻本 勝彦
参照:「吉野林業と優良材 (岩水豊 著)」
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「密植」によって成長とともに枝葉と枝葉が触れ合うようになり、下の方の枝葉には陽が当たらなくなります。この状態で数年経つと枯れた枝が自然に落ちて、枝打ちをしなくても無節の良い木ができます。そういった状況もデータには表れているようです。
ただ無節=優良材はこの当時の考え方で、最近では逆に節のニーズも聞くことがあります。素材のナチュラルな姿が好まれるのはとても良い事なのですが、製品化するときの節の処理はとても大変なので、無節をおすすめしたいという一面もあるかもしれません。