超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2022.5.8

■「吉野林業と優良材」に学ぶ (38) 
吉野林業と優良材の形成⑪

-林業制度と優良材の形成-

密植は山守の側からすると、植栽段階での植付本数をより多くするということは、それだけ労力を要するので、結果として地元労働者の雇用を増大させることになる。

かつ撫育過程においても下刈り、ひも打ち、除伐作業に多くの手間をかける必要があることから、より多くの労働需要が発生して、労賃収入が増大し雇用が安定することになる。

とはいえ、密植を行った場合は、当然に頻度の高い弱度の間伐を繰り返し行わなければ、材木の成長にも影響することになり、整然とした林分に誘導することは期待できず、直接山守の利益にも結びつかない。

また間伐材の本数や商品価値は産出材全体の販売高に直接影響を及ぼし、それが結果として山守の報酬の増減に響くこととなる。そこで山守としては、自己所有林同様に極めて集約的な保育管理を行い、より価値の高い良質材の育成に可能な限りの努力を払うのである。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎

 

参照:「吉野林業と優良材 (岩水豊 著)」

 

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吉野林業継承のため、再造林は密植で行ったとしても、その後の保育管理を行う人材を確保できるのか、収支をクリアする需給バランスは確保できるのか、全盛期とは違う現状において大きな課題は多いです。

現在のニーズを追いかけながら、吉野林業の歴史や先人たちの知恵からも課題克服のヒントを得たいと思います。


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