超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.7.5

■「吉野林業全書」に学ぶ (19) 
杉・桧種子の播き付けの季節

土地によって、種子の播き付けの最良の季節は変わる。

暖地は3月中旬 (春分)
温地は4月初旬 (清明)
寒地は4月中旬 (穀雨)

ただし、何らかの理由でそれぞれの季節に播き付けができなかった場合は、6月初旬 (芒種) までであれば問題ない。

播き付けを翌年にまわすより苗木の育成事業を一年早めるという利益もあるし、種子の状態で翌年まで置くことによる発芽率低下の損害を防ぐことにもなるのである。

ただ、施肥と管理は十分に徹底すること。

「吉野林業全書」では時期は二十四節気で表現されます。
【春分】:3月中旬(3月20日頃)
【清明】:4月初旬(4月4日頃)
【穀雨】:4月中旬(4月20日頃)
【芒種】:6月初旬(6月6日頃)

※実際の播き付けはこれよりも早い時季に行うが、芒(のぎ)のある穀物や、稲や麦など穂の出る穀物の種子の播き付け季節ということから芒種と言われる。
川上村の吉野林業と土倉庄三郎
参照:「吉野林業全書」
写真:2019年4月初旬(清明)の川上村西河

 

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先の記述にはなりますが、「吉野林業全書」には収支計算が詳細にわたって記載されています。種子の播き付け時期にまで、その考え方がしっかり反映されているわけです。

現在手掛ける再造林事業は全く採算度外視というわけではありませんが、森林環境保全や吉野林業方式の継承といった意味合いが強いのかもしれません。

しかし、木材価格・需要の低下、施業人口の減少・・・問題山積の中で新しい林業様式が絶対的に必要なのでしょう。

建前論はよろしくないのは重々承知で、吉野林業を次の500年に繋ぐためにもがいてみたい・・・。


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