超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.5.17

■「吉野林業全書」に学ぶ (4) 
吉野林業の発端検証

「吉野林業全書」において、吉野林業のはじまりは文亀年間(1501年~1503年)と記述されていますが、500年の歴史という根拠について、「吉野林業と優良材 (岩永豊著) 」の中でも触れられていました。

享保14年(1729年) 江戸幕府の採薬使 植村佐平次(政勝)によって記された「諸州採薬記」の中に、

「川上筋の内この辺吉野杉名物にて山の上まで植置あり、他所村の谷に植ある杉より能く生ひ立ち候事」

の下りがあり、すでに約300年前に山の上まで植林が進んでいたとの推定から、吉野熊野国立公園の父とも言われる岸田日出男は文亀年間起源説を支持したとのことです。
川上村の吉野林業と土倉庄三郎

1892年の「大日本山林会」会報誌の中では、

「文治・建久の頃(1185年~1198年)に屋久島より、杉苗80本を貰い受け、郡中及び他郡へ植栽し、これが吉野杉の始めなり」

と伝えています。ただこれは極めて原初的なものであり、それが果たしてどこまで増殖されたかは推測の限りではないようです。

 

参照:「吉野林業と優良材 (岩永豊著) 」

画像:国立国会図書館デジタルコレクション「諸州採薬記」

 

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いずれにしても、「はい!吉野林業スタート!」は明確でありませんが、500年を超える壮大な歴史は間違いなさそうです。

ところで、植村佐平次という人物、八代将軍 徳川吉宗の御庭番でもあったそうでミステリー小説の題材にもされていますね。いやはや興味深い方々が続々と・・・。

 

こちらでも「吉野林業の発端」について検証しています。

■「川上村史 通史編」に学ぶ (3) 吉野林業のはじまり


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