超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.5.10

■「吉野林業全書」に学ぶ (3) 
吉野杉の発端

奈良県の三輪山や春日山に、天然に生育した神代杉を吉野地方に移植したのが「吉野杉」となったのである。

慶長年間(1596年~1615年)には後水尾天皇が桂離宮造営にあたり、吉野杉、吉野桧をご用命されたと聞いている。また、同じく慶長年間に杉の種子一石を、遠い隠岐の島に分け与えたということだ。吉野杉のその発展性がよくわかる。

奈良県吉野郡における人工造林が始まった年度を地区別に列記してみる。

川上郷 (現在の川上村) 
文亀年間 520年前

黒滝郷 (現在の黒滝村)
慶安年間 422年前

西奥郷 (現在の五條市一部)
寛永年間 392年前

北山郷 (現在の下北山村)
寛永年間 382年前

小川郷 (現在の東吉野村)
元禄年間 330年前

十津川郷 (現在の十津川村)
寛文年間 359年前

中庄郷 (現在の吉野町の一部)
元禄年間 317年前

池田郷 (現在の吉野町の一部)
元禄年間 333年前

国樔郷 (現在の吉野町の一部)
元禄年間 332年前

竜門郷 (現在の吉野町の一部)
安永年間 249年前

川上村の吉野林業と土倉庄三郎

参照:「吉野林業全書」

 

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この「吉野林業全書」が発刊された明治31年(1898年)からもすでに、120年が経過しています。明治期から現代のバブル崩壊以前までは吉野林業も隆盛を誇り、林業経済サイクルが確実に維持されてきました。

しかし、国産材需要の低迷、林業従事者の高齢化や減少等々、全国の林業と同じ課題を抱えサイクルは崩壊の危機にあります。

壮大な歴史とともにある吉野材の強みを、いま現在の需要に重ね併せていくこと。解決の方向性はシンプルです。


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