超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
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2023.2.19

■「吉野林業と優良材」に学ぶ (70) 
除 伐

―江戸時代における育林技術-

 

吉野地方では、ひも打ち修理の終わった後の植付9年目位に劣勢木、形質不良木等を対象に除伐(※1)を行う慣行がある。

 

「広益国産考」には「凡植付てより四、五年も立てば火吹竹位になるなれば、其内いがみあるか、木ぶりの悪きを選び間引く心にてぬき伐すべし」として、植付後四、五年後に「いがみある木」「木ぶりの悪い木」を選定して除伐すると記述がある。

現代より除伐の時期が早い(※2)のは植付苗木の大きさの違いからであろう。したがって、このような不良木の発生を防ぐ点から「始よりあらく植たるはいがみできる也」として疎植を戒め、むしろ始めは密植の方が良い結果を得ることができるとしている。

 

※1育てようとする樹木の生育を妨げる他の樹木を刈り払う作業。

 

※2現在の本格的な除伐の時期は、14~17年目に被圧木・形質不良木及びスギは花や球果の着生しているものを対象として行い、本数で25~30%程度である。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎

 

参照:「吉野林業と優良材 (岩水豊 著)」

 

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「密植」が劣勢や形質不良の発生を防ぐことができるとされていて、緻密でまっすぐに通った吉野杉の柾目を見れば納得の内容であり、吉野林業にとってはやはり重要なファクターです。


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