超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2021.1.11

■「吉野林業全書」に学ぶ (79) 
材木木馬(きんま)出しの方法②

木馬をつくる方法は次の通りである。

木馬の両側にある親骨(本体)の二本は樫の木を使い、長さ八尺五寸(約2m55㎝)、幅四寸五分(約13.5㎝)、厚さ一寸三分(約3.9㎝)で、天幅を狭めて地幅を広げて付けなければならないので、少し内側に傾けて四か所に横貫を取り付ける。

その木口に長さ二寸二分(約6.6㎝)、幅二寸(約6㎝)、厚さ一寸(約3㎝)のホゾ(※)を付け、この先に止栓の穴を開け楔(くさび)で止める。

木材の積台は口径三寸余り(約9㎝)の桧で、前後の横木のところへ木馬の幅に応じて、両端の裏を切ってはめ込む。

そしていよいよ木馬に材木を積みこれを引く時は、その中貫に引綱を付け、これを左の肩に掛けて引く。そして、適当な場所に鎹(かすがい)を付け右手に持って舵を取る。また、左手には油塗りを持ち、番木に時々塗って滑りを良くする。

この木馬の一日の作業量は一台当たり、坂路五、六百貫匁(約1,875~2,250㎏)、平坦な所で三、四百貫匁(約1,125~1,500㎏)である。

【備考】
木馬をつくる場合、その人の好みによって、長短、厚薄、幅の大小はある。また横貫を五本付けにする場合もあるが、この場合、中央の一本は丸太にする必要がある。


※ホゾ:木材をつなぐ場合に一方の材に凸をつくり、一方の材には、これを差し込む凹をくり抜き両材を接合する。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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修羅出し、肩上げ、肩上げ曳き、釣持ち、地車出し、木馬出しと搬出作業の解説が続きましたが、いよいよ筏流しへ移行していきます。

木は大きくて重い・・・時代は変わっても危険で過酷な作業になりますが、造林育林で得た産物を暮らしに活用し、また山に手を入れるサイクルがこの木の国を守ることに繋がります。


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