超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.12.28

■「吉野林業全書」に学ぶ (73) 
材木肩上げ持ち出しの方法

杉・桧やその他の木材を運搬する場合に、木材が少量で道路の不便な場合は、人の肩で持ち出す肩上げ(カタゲまたはカケ持ちとも言う。)に頼らねばならない。

肩上げ持ち出し一人の作業量は、重量二十貫匁(約75㎏)を一荷として、里程六十丁(片道約6.5㎞)を往復することを一日の仕事量としている。これに対する運賃は衡(はかり)で木材の目方(重さ)を計って決める。

小木の場合は、一本ずつもしくは数本に束ねたものを一人で持ち出すが、大木の重いものは、二、三人もしくは五人から七人で持ち出す場合もある。

数人で持ち出す場合、坂道では背の高い者を先頭に順次低い者が後ろで担ぐ。また二人の場合は同じ肩で持ち、三人の場合、挟み持ちといって互い違いの肩で持つ。

各自のやりやすいように作業を行うが、杖をつく者もあり、休む時は杖を立てて荷をそれに載せ、おおよそ一丁毎(約110m毎)に休むようである。

肩上げ持ち、または肩上げ引きのどちらの方法も使えないもので、地車を使う程のこともない(地車を使うには相当の道路を作らねばならない)少量材か釣り持ち出しをする場合で、人員不足の際はクワン引きを行う。

クワン引きとは、その材木の木口にトチクワン(釣り出しの時に用いる鉄製の器具)を打ち込み、これに手頃な綱を付けて肩に掛けて引き出すものである。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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製品になった梁桁やフローリングなどを肩に載せて、建築現場に運び入れるだけでも慣れていないとふらつきますし、肩も相当痛くなります。もっと重いものだと荷揚げ屋さんという専門職もありますね。

山道を丸太を肩に載せて下る・・・。「修羅出し」より修羅な気がします。

 


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