超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.9.6

■「吉野林業全書」に学ぶ (39) 
杉・桧の傾木を起こし直す方法

杉・桧が風雪やその他の被害によって傾いた時は、葛藤(ツヅラフジ)、縄、桧皮綱、または鉄線などで直立させなければならない。

しかし、すでに折損したものや、あるいは根がえりしたものは伐採してしまうのは当然で、傾いたものでも間伐にあたるものは伐採し、成木の見込みのあるものだけを起こすことが重要である。

小木は普通の縄で引き起こすことが容易であるが、必要な道具を買う手間や樹木の大小を考慮して、どういったものを使うかは作業者の考えで効率よく検討すること。

【備考】
縄は普通のものを用いるが2、3本を合わせて使う。

桧皮は、夏の土用の後から秋の土用までに山で取ってきた生のままの長さ3.6m~5.4m、幅6㎝~9㎝のものを適当に束ね、30日ほど水に浸しておき、その後30日ほど天日干しにする。(こうすることで防虫効果がある。)

桧皮を長持ちさせたければ煙の通る天井に掛けておき、使用する時に再度水に浸し適当にやわらかくして使用する。これを2、3本合わせて使うと良い。

鉄線にはトタンを用いるが、使う大きさは樹木の大小によって決める。

大径木のためそういった道具で直接起こしにくい時は、一旦、苧綱(オヅナ~麻糸をより合わせて作った綱。非常に丈夫で船の綱として使われた。)を掛けて引き起こし、直立させた後に葛藤(ツヅラフジ)、縄、桧皮綱、または鉄線を使う。

※「葛藤は白口、赤口、アケビソの類が適している。」という記述がありましたが、こちらはちょっとわかりませんでした。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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近年は積雪は極端に減って、吉野では豪雪被害というのはあまり聞かなくなりました。

ただ、今も近づいてきているような巨大台風や集中豪雨が大変な脅威ですね。完全に倒木してしまうような被害にもなりますし、倒れなくても強風に長時間煽られれば原木にも傷となって残ってしまいます。

大規模な地崩れが起きてしまうと復旧もとてつもなく大変ですが、もう元の山に戻ることはありません。

自然の驚異に試されていますが、本当にもう手遅れなのでしょうか。ニューノーマルはコロナのことだけと考えてはいけません。


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