超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2021.1.31

■「吉野林業全書」に学ぶ (83) 
杉・桧丸太筏編みの方法②

杉・桧の丸太を筏に組むには、その長短大小によって名称や方法が違う。

【七本結い】(樹齢40年前後のもの)
長さ二間(約3.6m)、末口平均六寸(丸太の細い方の直径 約18㎝)を太いものを外、細いものを内に7本並べて一床とする。

【六本結い】(樹齢50年前後のもの)
長さ二間(約3.6m)、末口平均六寸七分(丸太の細い方の直径 約20㎝)を太いものを外、細いものを内に6本並べて一床とする。

【五本結い】(樹齢60年前後のもの)
長さ二間(約3.6m)、末口平均八寸(丸太の細い方の直径 約24㎝)を太いものから順番に5本並べて一床とする。

【四本結い】(樹齢80年前後のもの)
長さ二間(約3.6m)、末口平均一尺(丸太の細い方の直径 約30㎝)を太いものから順番に4本並べて一床とする。

【三本結い】(樹齢100年前後のもの)
長さ二間(約3.6m)、末口平均一尺三寸三分(丸太の細い方の直径 約40㎝)を太いものから順番に3本並べて一床とする。

【二本結い】(樹齢130年前後のもの)
長さ二間(約3.6m)、末口平均二尺(丸太の細い方の直径 約60㎝)を2本並べて一床とする。

【一本結い】(樹齢200年前後のもの)
長さ二間(約3.6m)、末口三尺六寸以上(丸太の細い方の直径 約110㎝以上)を1本で一床とする。


【八本目結い】(樹齢80年以上の末木)
片塗りといわれる編み方。長さ二間(約3.6m)、末口平均六寸(丸太の細い方の直径 約18㎝)の8本を別図のような独特な編み方をするもの。

【十本目結い】(樹齢80年以上の末木)
両塗りといわれる編み方。長さ二間(約3.6m)、末口平均五寸(丸太の細い方の直径 約15㎝)の10本を別図のような独特な編み方をするもの。この筏を編むには真藤を使うが、山城国(京都府南部あたり)産が最良である。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎
※原文には更に詳しい編み方の記載がありますが、非常に複雑な解説になっているため割愛します。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎

以上のような(『杉・桧丸太筏編みの方法①~②』)筏の組み編み方は、二間丸太を例にとったものであるが、それ以上の長さのものもあり、大きさも色々あったとしても編み方は同じである。また角材であっても異なる異なるところはない。

また「筏流し」を行うには、川を浚渫(水底をさらって土砂などを取り除くこと)しなければならない。その方法は区域によって異なるが、支流などはその区域での1年分の浚渫費用や材木の搬出費用を見積、一床に付きいくらか税金などを割り当てて負担させる。

大川においては、各所で取り決めた額を和歌山港及び大阪港で徴収して浚渫費用に充当させる。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎
参照:「吉野林業全書」

 

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奈良県川上村が源流となる大川の「吉野川」は、途中で「紀の川」と名称を変えますが、和歌山まで繋がりそこから海路で大阪まで繋がります。

今も昔も陸路でも水路でも整備はもちろん必要で、しっかりと通行料が徴収されています。後に浚渫作業の解説もありますが、かなり大規模で本格的なものですので、徴収制度がないと立ち行きません。

 

ところで、全国的に消滅した「筏流し」も和歌山県北山村では観光資源として復活してるそうですね。アクティビティーとして実際乗れるようなので、一度チャレンジしてみたいところです。

あ、ジェットコースターはダメなほうですが・・。


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