超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
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2023.1.17

■「吉野林業と優良材」に学ぶ (62) 
苗 床②

―江戸時代における育林技術-

 

苗床の苗は三年目の春二月には残らず掘り起こし、ごぼう根(ごぼうの根のように細長い根)の根先はハサミで切捨て、これをまた二行に四、五寸間隔で植付け、三月末から四月中頃までに油粕や肥料を施す。また、六月土用前に一度追肥を行う。

そして「広益国産考」では、「其間草をとり根を鍬にて和らぐべし」とあり、耕耘(苗床を耕して除草を行うこと)の必要性を説いている。

三年目の秋には、苗は二尺五、六寸(約76~79㎝)または三尺(約91㎝)にも伸びる。肥しが多すぎた場合は伸びすぎて植傷み(※1)の恐れがあるので、二尺程度の小苗を育てるのが望ましい。

※1 苗の移植や植替えにより、根が切られて苗が弱ったり、移植・植替え後に新たな根がうまく伸びてこないことで、その後の苗の生育が停滞したり、枯れてしまったりすること。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎

 

参照:「吉野林業と優良材 (岩水豊 著)」

 

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「吉野林業全書」では抜き取りや移植について、下記のように記述があります。「広益国産考」では三年生山植え苗木の大きさなどの詳細が書かれていますが、全書ではその部分の記述が少ないことが気になりました。

■「吉野林業全書」に学ぶ (24) 杉床苗の抜き取りと仕分け

■「吉野林業全書」に学ぶ (25) 杉床苗の移植の方法

■「吉野林業全書」に学ぶ (26) 移植後の杉苗木の除草と施肥

■「吉野林業全書」に学ぶ (27) 山植え苗木の抜き取りとその季節


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