超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2021.4.10

■「吉野林業全書」に学ぶ (102) 
中次問屋について

川上郷では中次問屋は、大滝と東川の二ヶ所にある。

中次問屋の役割は、筏が着くとただちに、その本数、床数、上荷があればその種類や数量、そして、荷主の氏名並びに届け先の港、問屋の氏名等に及ぶまで詳細に調査して、これを帳簿に記載する。また、筏に崩れはないか確認を行い、フジの切れた箇所があれば修理し、乗り下しに支障がないよう、また、洪水による流出の恐れがないように注意する。

確認調査を終えれば、その筏の種類、駄物等の送り状と通券二通を乗夫に発行する。乗夫は受け取った二通の通券を、滑検査所(川上村東川)と飯貝検査所(吉野町飯貝)に差し出して検査を受け和歌山港に入る。

和歌山港では、問屋に確認させ現物と送り状を引き渡す。問屋からは預り証を受け取り、それを持ち帰り中次問屋から荷主へ渡す。中次問屋は荷物を丁重に扱うことは勿論、常に筏の修理等に必要な物資を準備し、洪水を警戒する状況になれば、作業員を指揮して流出が起こらないように注意する。

【備考】
筏流送は、川上村北和田から川上村東川までは上乗り、川上村東川から吉野町飯貝までは中乗り、吉野町飯貝から和歌山港までを下乗りと言う。これについての中次問屋は、文化11年(1814年)に設けられ、川上村東川の中次問屋は代官所から、飯貝検査所は幕府から出張した。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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中次問屋ということで商人をイメージしましたが、明治維新までは代官所や幕府から出張する役人だったようですね。

脇道の逸れることもできず、逃れられない厳しい検査所というイメージもあります・・・、確かにそうだったのかもしれませんが、飯貝検査所で徴収された口役銀は、その一部が川上村と黒滝村には還付され、両村ではそれを住民に配布しましたので、徴収というより救済の側面で意識されて、明治維新後も継続が嘆願されています。


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