超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2021.3.6

■「吉野林業全書」に学ぶ (97) 
桴(ばち)筏の仕様②

この筏の乗り方は、通常の場合二人、大木の場合は三人もしくは五人が必要となる。先のほうに乗る者を鼻コギ、次の者を脇乗り、その後ろに乗る者を後流しと言う。二人乗りの場合は脇乗りが後流しを兼任する。

そして、必要な道具は竿である。杉丸太の長さ一丈(約3m)、廻り五、六寸(約15~18㎝)のものを元末とも手頃な形に削り、これを使って筏を操る。大水(洪水は除く)の時は櫂を使う。幅は元が六寸(約18㎝)、先が九寸(約27㎝)、厚さ一寸(約3㎝)、柄の長さ二間(約3.6m)の薙刀のようなものを作り筏の先に嵌めて(はめて)、鼻コギが操作を行う。

先床の後ろにはタマコと言ってフジツタで輪を作り、これに竿を差して脇乗りが舵を取る。

【備考】
酒榑、樽丸、板、束木やその他の荷物については、陸路で運送することもあるが、筏に搭載することのほうが多い。

ただしこれらは、大木の筏に積むことは稀で、中木以下の筏に積み込むものである。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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解説は簡単なものですが、これだけの長さの筏を操るのは、なかなか容易ではないと思います。川浚えも大規模に行われ、水運路として整備されているとはいえ、自然の川の流れを利用しているに過ぎません。

実際は命がけの危険な場所もあったのではないでしょうか。


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