超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2021.2.14

■「吉野林業全書」に学ぶ (88) 
川路浚渫の方法③

(吉野川に沿う支流の浚渫工事)

①黒滝西奥郷(現在の五條市の一部)賀名生川の水源は、大峰山内大天井に始まり赤滝を経るものと、もう一つは天の川領境より城戸、川合で二つの枝川が合流し、西奥郷各村を貫流し霊安寺に出たものが吉野川に流入する。この水源から吉野川合流までの距離は十三里(約50㎞)で、筏の通るところは九里余(約36㎞)である。この川浚え工事は寛永年間(1848-1854年)に竣工した。

②小川郷(現在の東吉野村)の川の水源は高見山に始まるものと、もう一つの麦谷大股奥の伊勢領(三重県)境より始まるものが蟻通神社前で合流する。また鷲家谷川が鷲家口でこれに合流して、小川郷各村を貫流し、国栖郷(現在の吉野町の一部)新子に流下、そして吉野川牛ヶ瀬出合に注ぐ。この水流は九里余(約36㎞)で、筏の通るところは六里余(約24㎞)である。宝暦元年(1751年)にこの川浚え工事が起工した。

③川上郷(現在の川上村)内の東川(うのがわ)中井谷川の水源は鷲尾峠に始まり、中井谷を経て東川里中井を貫流し、吉野川中井出合に注ぐ。この水流は一里半(約6㎞)、筏の通るところは十五町余(約1.6㎞)である。明治七年(1874年)にこの川浚え工事が起工した。

④川上郷内の西河(にしがわ)音無川の水源は大峰山脈守屋山安禅寺青根岳に始まり、清明ヶ滝を経て西河里を貫流し、吉野川字別当淵に注ぐ。この水流二里余(約8㎞)のうち、筏の通るところは十町(約1.1㎞)にすぎない。この川浚え工事は天保八年(1837年)に起工したが、この別当淵は、川上郷各所から産出された筏の中継ぎ地点であり要所である

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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現在は一級河川である大川「吉野川」を水運の本流として、そこに注ぐ支流もすべて木材運搬の重要な搬送路として整備されていたようです。

今は青く美しく光り、穏やかな流れの支流からはあまり想像がつきませんが、最盛期はとても活気に溢れていたことでしょう。


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