超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

  • HOME
  • >
  • 超現代語訳 川上村の吉野林業を学ぶ

2021.2.13

■「吉野林業全書」に学ぶ (87) 
川路浚渫の方法②

筏継ぎ場と筏編み場には台堰を設ける。この堰の作り方は数個の枠(箱枠、流枠、丸枠)を建て、これに長木を川幅に応じて数本かけて乱杭を数百本並べる。そこにカヤまたはそれに類するものを置き杉皮やツトをかぶせ、これを細い棒で挟み、根元に土砂や小石を入れて水を溜める。

筏の水路は、一丈余り(約3m)の間隔を取って横木を伏せ(水途台)、これに長さ五尺(約1.5m)以上、厚さ一寸五分(約4.5㎝)で適当な幅の板を並べる。そこに杉皮やツトを被せ、小石で押さえ土砂を入れる。もし堰の落ち口が高い場合は、修羅を材木で作って筏を流しやすいようにする。

しかしながら、吉野川飯貝より西の川筋(川上村から下って、吉野町より和歌山方面)は川幅も広く岩石などは少ないが、平流で水底は浅く小石交じりの砂利である。特に浅瀬が多いから大水の度に水路が変わってしまって、この修繕費は容易なものではない。

こういった浅瀬には石塚を積んで水深を深くし、蛇籠(竹材で編んだ長い籠に砕石を詰め込んだもの)を伏せて水が片方に漏れるのを防ぎ、柵を作って水の垣とする。あるいは堀板やジョレン等で浅瀬を堀り、その両側に杭を建て、最上に丸枠を設置し水路用の竹にて水路を明示する。

こういった「川浚え」に関するすべては、筏の流通を良くする為のものであるから、常に修繕を怠らないことが重要である。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

解説にある吉野川の飯貝辺りは、現在でも鮎釣りやバーベキューができるような、ゆったりとした浅瀬の多い所です。

「上流にダム(川上村大滝ダム)ができるまでは、吉野川はもっと深くて筏で木材を運ぶのが盛んだった」というようなことを聞いていたので、ダムの影響で水深が大きく変わったようなイメージだったのですが、昔から浅瀬も多く、筏を流すために色々苦労があったようですね。


最新の記事

アーカイブ

  •  

    • 2023 (31)
    • 2022 (56)
    • 2021 (98)
    • 2020 (73)
  • ≪■「吉野林業全書」に学ぶ (8...

    ≫■「吉野林業全書」に学ぶ (8...

    最新の記事

    アーカイブ

  •  

    • 2023 (31)
    • 2022 (56)
    • 2021 (98)
    • 2020 (73)
  • ページトップへ