超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.12.5

■「吉野林業全書」に学ぶ (69) 
船板の取り方と杉・桧 大径木胴割りの方法

杉の川舟には、樹齢八十年から百年でだいたいは雑木の中に交っている立木か、独立木(俗にハナレ木という)を使う。木目が粗く冬目も広いもので、上等木が使われることはない。(生き節は差し支えないが腐り節は避ける)

この舟板の取り方は次の三通りである。

(川舟板)
漁舟または遊舟ともいう。
長さ三間から六間半(約5.46~11.83m)、幅八寸から一尺(約24~30㎝)、厚さ一寸二分から一寸三分(約3.6~3.9㎝)

(渡舟板)
長さ七間から九間(約12.74~16.38m)、幅一尺から一尺二寸(約30~36㎝)、厚さ二寸から二寸三分(約6~6.9㎝)

(荷舟板)
長さ七間から九間(約12.74~16.38m)、幅一尺から一尺二寸(約30~36㎝)、側板厚さ二寸六分(約7.8㎝)、底板厚さ四寸(約12㎝)

こういった舟板のひき割り方は、長さ方向は需要に応じてその都度その長さに切り、台の上に横に倒しそのまま(伏せ挽きという)厚さの寸法に応じて墨をつけ、大鋸(前挽き)で挽き割る。

杉・桧の大径木丸太で運送困難なものは、胴割といって二個に割る。その割り方は木の表裏にかけて、中心から一寸(約3㎝)ばかり一方に寄せて墨をつけて、大鋸で挽き割る。

こういった丸太を中心で割ると節が多く表れ、かつ芯にひび割れを生じ、雨水などが侵入してよくないので避けるべきである。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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時代劇でよく見かける川や水路に浮かんだ舟は、杉でも作られていたんですね。これは初めて知りました。

色んな需要があってどんな木であっても使われており、本当に羨ましい限りなのですが、時間は戻せませんので発想のヒントにしたいと思いました。


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