超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
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2020.11.22

■「吉野林業全書」に学ぶ (64) 
杉・桧丸太角取りの方法

杉角は、樹齢100年以上の大径木を二間丸太または、酒樽、酒桶、板類に製造した残りの末木で、枝節の多いものから、その木の大小に応じて二間ないし三間(長さ約180~270㎝)の角を製造する。

この製造方法については、適当な場所に二本の台木(リン木という)を設けて、これに丸太を載せて玉切る。

角の取り方は、二間物は尺角(約30㎝角)、あるいは尺二寸角(約36㎝角)として、三間物は竹の子角と言って、元口(根元に近い方の切り口)一尺物であれば、末口は七寸(約21㎝)とする。

二間物からは七分板(厚み21㎜)を製造し、三間物はそのまま建築用材として使われることが多い。ただし、杉は大小に拘わらず元玉から角を製造することは極めて少ない。

桧の角は、長さ一丈から二間半(約300~550㎝)のものは、五寸角(約15㎝角)として、これを上、中、下に仕分けて家屋の柱や敷居等に用いる。そして大径木の末木からは、杉と同様に二間ないし三間(長さ約180~270㎝)の角を製造し、建築用材とする。

【備考】
桧の末木丸太を鉄道用の枕木に用いることがある。これについては、長さ六尺五寸(約197㎝)のものを、七寸五分(約22.5㎝)と八寸二分(約24.5㎝)の角に切り、八寸二分のほうは二個に挽き割って、長さ六尺四寸五分(約194㎝)、幅七寸四分七厘(約22.4㎝)、厚み四寸一分五厘(約12.4㎝)に仕上げる。その他クリ、ツガ、マツ、サワラ等で製造する時も同様である。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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現状では出材コストと見合わず捨てられている末木も、当時は贅沢な寸法で建築用材に使われています。

もう戻ることのない理想的な姿ですが、樽丸や銘木需要に代わる「幹」を見出さなければ、何をやっても「枝葉」なのかもしれません。

ただ、枯れた幹を倒れるまで守り続けるか、新しい幹を育てるかは大事な判断です。


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