超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.10.17

■「吉野林業全書」に学ぶ (53) 
桧材の木質種類とその用途 ①

【白色木】
土壌の良し悪しに関わらず自然木に多く発生する。しかし数百年を経たものでなければ、油気が強く色が赤い。また、老樹であるから節は多いが樽丸製造用にはもちろん適しており、その他の需要にも広く用いられ常に高値を保っている。

【赤色木】
土壌の良し悪しに関わらず人工造林によく発生する。通常、人工造林は役100年で皆伐するので、育林中に3回の枝打ちを行うことによって生ずる。この木は丈が長く節が少ないので、辺材部は樽丸製造用に適しているが赤身は用いられない。そのため、多くは丸太のまま角材として住宅建材に使われる。

【絞木(しぼ)】
土地の肥瘠には関係なく天然の性質として発生する。外観は恰もシデ木の肌のように、表面に不規則な縦じわのある美しいものである。この木は二間から二間半の長さ、末口は三寸から六寸のものが柱材として多く用いられる。

【油木】
南東向きの乾燥した炉土(ボクボク土とも言われる)に成育したものである。そのため、辺材と芯材の判別がつきにくく、全体に赤紅色を帯び油気があって光沢を有する。この木は丸太のまま角物として住宅建材や橋梁用材に用いられる。

【焼木】
土壌の良し悪しに関わらず、檜皮(ひわだ)を取った山中で多く発生する。この木は数百年を経過すると、必ず飛び腐れが発生し空洞木となることが多い。一見して表面は良材に見えても中腐れがあるので、樽丸製造用には不適当で油木よりも劣る。

【捻木】
土地の肥瘠に関係なくその木自体の性質か、もしくは変質によって発生する。この木は樽丸製造用には不適当で丸太のまま使用する。

川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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吉野桧も樽丸生産に使われていたことは初めて知りました。解説でも主に建築用材として使われることにはなっていますが。

杉と桧の比較はよく聞かれることで、実際に硬さ、香り、色合い、用途等に違いもあります。ただ、同じ針葉樹で同じような使われ方もしますので、最終的には「好みでどうぞ!」になってしまうことも多いかもしれません・・。

吉野杉・吉野桧いずれにせよ、素晴らしい材に出会う機会は多く、その度に、その上品な佇まい、得も言われぬ淡い色合いに言葉を失ってしまいます。


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