超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.8.16

■「吉野林業全書」に学ぶ (34) 
杉・桧植付け立木の獣害予防

どの地方でも対策が必要であるのが獣害である。
 
猪は苗根を掘り起こし、鹿は芽を食い角で幹の皮を剥く。兎は芯を噛み切り、鼠は苗根の皮を剥ぐ。その被害は甚大である。
 
そのため獣害に対しては直ちに予防をしなければならない。
 
まず、猪の害を防ぐには植付けに先立ち、その土地の周囲に高さ1.8mほどの木柵(栗または杉・桧)を桧皮かクズ、フジツルで括り付ける。
 
鹿、兎の被害を防ぐには、苗木の周囲に雑木の枝葉60㎝~90㎝のものを立てて苗木を覆い、さらに立木の場合は幹を桧皮で地面から60㎝~90㎝巻いて防ぐ。(桧皮で巻く時は雑草か、杉・桧の枝葉を添えて巻くとよい。)
 
鼠の害がひどい場合は、何度も下草を刈って苗木の根元に巻き付けておくとよい。
 
獣害の予防には特に注意すること。
川上村の吉野林業と土倉庄三郎


参照:「吉野林業全書」

 

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昔も今も頭の痛い獣害ですが、昔と今の明らかな違いは、森に携わる人々は減り害獣は明らかに増えています。
 
梅雨時から皆に気味悪がられるヤマビルも、少し前までは川上村にはそう多くなかったようです。鹿の蹄に張り付いて大移動をして生息範囲を増やしているのだとか。
 
吉野林業最盛期には多くの人々が山に入り、大きな声や音を出し火を焚いていました。これもある意味、獣害対策だったはずです。
 
時代は変わり対策ネットや柵も進化しましたが、良いものほどお金は掛り100%万全でもありません。
 
頭の痛さは倍増しているかもしれません。
 
ちなみに、同じ県内の奈良公園の鹿は天然記念物であり、神の使いでもあります・・。

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