超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.08.15

■「吉野林業全書」に学ぶ㉗ 
山植え苗木の抜き取りとその季節

山行きの「杉苗」は、その日に植え終わる分の苗を、その日の朝に掘り越すものであるが、深い山奥に植え込む場合は、苗畑は春であっても深山では氷雪が未だ解けず、すぐに植え込みに着手できない場合あある。

とはいえ、暖かい春の苗畑では、苗木に白根が生え、芽を出してしまうから、これをそのまま置いておくと、掘り起こすときに苗木の皮がむけて枯れてしまう心配がある。

そのため、春の彼岸(3月20日頃)が終わるまでには、全て掘り起こし、20本ずつを一束にして、数束にまとめて、その植栽地近辺に運んで、根元の15㎝程度を谷川に漬け置き、それを順次植え付けていくべきである。
川上村の吉野林業と土倉庄三郎
もし遠方から取り寄せた苗であれば、すぐに山へ送り、谷川の水に浸して水を十分に吸収させて、土地の風土に慣れさせた後に植え付けることが大事である。

「桧苗」は「杉苗」と大きく異なり、水に浸すことは厳禁である。「桧苗」を水に浸すと、数日後に葉が黄色に変色し全て落葉してしまう。

よって「桧苗」を畑から掘り起こすか、遠方から取り寄せた場合には、すぐに植栽地に送り、日陰の適当な所に根深く埋めておき、それを順次植え付けていく。

【備考】
苗木の根には色々な種類がある。細くて数の多い「髭根」、切断が必要である太くて長い「ごぼう根」、劣等苗である太くて短い「鳥足」、これらは発育が悪いから苗木には向かない。

ただし、1年間、他の畑に移植しておけば「良苗」とすることができる。
川上村の吉野林業と土倉庄三郎
参照:「吉野林業全書」

 

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農作物であっても、苗の植付けはデリケートであると思いますが、この吉野の急峻な地への植付けは、このような制約下では大変であったと思います。

今後は標高の高いエリアは自然林に戻し、仕立ての行いやすいエリアを経済林としていこうという方針ですが、「植えれるところは全て植えた」というように、標高の高いところであっても、川上村のほとんどが造林されています。

逞しい先人たちです。


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