超現代語訳

川上村の吉野林業を学ぶ

これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。

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2020.8.13

■「吉野林業全書」に学ぶ (31) 
山地への杉・桧植付けとその季節 ①

杉・桧植付けの時期は、3月上旬から4月上旬が最適であるが、植付け場所の寒暖差で多少の違いはある。
 
平坦地では梅鉢植え、傾斜地では列植えといった植え方を行う。
川上村の吉野林業と土倉庄三郎
川上村の吉野林業と土倉庄三郎
まず、鍬で植穴を掘り、穴底に石などがあればこれを取り除く。そこに谷川の水に浸しておいた苗木を立てる。ただし、根に付着した水垢はよく洗い落し、長い細かな根は切り捨てること。
 
そして、根をしっかり埋めて鍬で打ち固め、掘り出した近辺の土を残らず寄せ掛け、苗木の根が大気に触れないように丁寧に植え付ける。
 
苗木は少し山のほうに傾けておくとよい。これは、険しい山においては、雪に押されることや物に触れることで自然と下向きに伸びるからである。
 
根が屈曲すると生育が阻害されて良材を得ることができないので注意すること。


参照:「吉野林業全書」

 

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図が示すように苗木は杉・桧の混植となります。混植の割合は次回に触れますが、川上村の地形は急峻で平坦地も少なく、このように教科書通りにはいかなかったと思います。
 
ただ、科学的な知見や技術が乏しかったこの時代に、自然と向き合い先人の知恵をたどることで、「儲かる良材」を作り出すためのマニュアルを整備したことは、すごいことだなと感嘆するばかりです。

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