今日も山は動いている

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吉野杉伐採現場潜入

スカイキャリー、集材機と木材搬出現場にお邪魔してきましたが、今回は伐採現場に潜入です。
そして、前回までは首からカメラをぶら下げてお邪魔していたのですが。

今回は実際に伐採を手伝ってきました!
(といってもチェンソーを振ってきたわけではありませんが)

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“伐採現場まではモノレールで行きます”

吉野林業では基本的に木は斜面上部に向けて倒します。
そして、葉が付いたまま、山で数ヶ月乾燥させます。
渋抜き(葉枯らし乾燥)と呼ばれるこの方法で白太(辺材)が軽くなったり、
赤身(心材)の発色がよくなると言われています。

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“山で倒したまま乾燥させます”

登し伐り(上方伐倒)と言われるこの伐り方は伐倒方向を制御するのが難しく高い伐倒技術を要します。
そこで、二人ないし三人一組での作業、一人がチェンソー、残りの二人がチェンソー作業の指示やロープを引っ張って倒す作業を分担します。

まず、伐倒木にロープをかけます。
木の直径の2~3倍の輪を作って、余った部分を下手投げの要領で振り上げることで木の上のほうまで持ち上げます。
実際にやってみると上がるには上がるのですが、ロープも重たくなかなかしんどい作業です。
枝があるとそれより上には上げられないので、高いところまで枝の無いように育てられた木だからこそできる技です。
ロープの反対側は立木をくの字のまわり、安全な位置の立ち木に固定した手動ウインチに結びます。

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“張られたロープ、伐倒方向に立ち伐採者に指示を出します”

伐倒木の受け口は伐倒方向からの指示を受けながら、微調整、大きなチェンソーで繊細に切り出します。
追い口を切り始めたらウインチを引きます。
多くの木は山側に傾いているわけではないので、チェンソーで切っているもののまだ重心は元のまま、むしろ谷側へ倒れていく方向に力がかかっています。それを山側へ引っ張るわけですから、ウインチを使っているとはいえ、かなり重たいです。

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“倒される吉野杉”

重たいウインチを引いていると、ふっと軽くなる瞬間が訪れます。
木の重心が完全に山側へ傾いた瞬間です、あとは周囲の木の枝を折りながら重力に任せて倒れていきます。

軽くなった瞬間、木を倒したというなんとも言えない達成感があります。

やや時間をおいて地響きをたてて、木が倒れます。

あたり一面に埃や木くずが舞い、杉の葉の爽やかな香りに包まれます。

木のあった場所にはぽっかりと空間が空き、暗かった林内に日光が差し込んできます。

折れた枝が落ち切り、立ち木の揺れが収まったのを確認し、無事に伐倒できた安心感が沸いてきます。

3日間のお手伝いで、腕も背中も筋肉痛、手のひらには十数年ぶりに豆ができました。
体力的には非常に大変ですが、気持ちのいい作業でした。